諏訪の心意気

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氏子みんなの力をひとつに

諏訪大社大総代
上社御柱祭安全対策実行委員会 実行委員長
濵明行さん

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御柱祭で心もつながる

諏訪大社大総代会 議長
下社三地区連絡協議会 会長
河西正裕さん

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―約千二百年の伝統を持つ諏訪の御柱祭ですが、上社と下社とでは、運営の仕方に何か違いがあるのですか。

濵  上社では、大総代31名によって御柱祭に向けて実行委員会をつくります。

河西 下社では、諏訪大社大総代会が御柱祭の運営実行を仕切ります。

 

―御柱祭の準備は、いつから始めるのでしょう。

濵  上社では、前回の御柱祭が終わって四年もすれば、実行委員会が立ち上がります。本番に向けて四年がかりということになりますね。まずは御柱の候補になる木を探すところから始めます。いろいろな森林管理署をまわったり、役場や区長さんにお会いしてお願いしたりします。

河西 下社の場合、御柱になる木はある程度決まっています。準備期間は、三年間ですね。

 

―上社では、どの御柱をどの地区が曳くのか、抽籤で決めると聞いています。

濵  クジを引く役割の抽籤総代は責任重大です。太い柱を引けますようにと神社にお参りしたり、精神的なプレッシャーは大変だと思います。
抽籤会は、二月十五日。まず座席を決めるクジ、それから順番を決めるクジと二回の予備抽籤をやって、それから本番の抽籤に入ります。いちばん太い御柱「本一」を引くと拍手喝采です。

河西 下社の場合、あらかじめ順番で決められていますから、そういう抽籤でどきどきする心配はありません。
それに、上社は一本の御柱を最後までひとつの地区が担当しますが、下社では、山出しと里曳きで担当が変わります。「秋一」という大きな御柱は、必ず、岡谷・上諏訪・下諏訪と、それぞれの氏子たちが触れられるようになっています。

 

―大総代以外の氏子たちは、どのような準備をするのでしょう。

濵  冬頃から、各地区で綱打ちをやるんですよ。小さな子供からお祖父さんまで、みんな一緒になって、藁をよって縄をつくり、御柱を曳くための太い綱を作っていきます。

河西 下社では綱をつくるために稲から育てるところもあります。コブができないように、よれたりしないように、氏子たちがつくる綱はまさに芸術品。
御柱への強い思いが、つながっているように見えます。

 

―女性たちの関わり方は?

濵  私の住む茅野市は寒天の里です。御柱料理は天よせ、山菜料理など郷土料理でお客さまをもてなします。
御柱街道沿いの家は、お祭りの当日は、氏子たちが休憩したり、飲み食いに立ち寄る「お宿」です。まかないのお世話をする女性たちは、何ヶ月も前から、何を食べてもらうか、献立づくりに悩んでいます。

河西 御柱貯金と言って、御柱祭での出費に備えて、お金を貯める家もあります。

 

―若い人たちにとっての御柱祭は?

濵  都会に出た若者も、御柱祭になると、地元に戻ってきます。

河西 諏訪出身者は、御柱祭になると、どこに暮らしていても血が騒ぐんじゃないでしょうか。御柱祭を、みんな意識しています。若いカップルの結婚式だって、御柱の年は、少なくなります。

濵  若い人を含めて、子供、年寄りまで、ひとつになれるのが御柱祭です。
河西 人と合う機会が増えて、地域のコミュニケーションも深まります、―諏訪人の地域力。人と人の絆がしっかりしているんですね。

河西 御柱祭は諏訪二十万人のお祭り。それをほかの土地で言うと、皆、その人数の多さに驚かれます。

濵  柱メドデコに乗る若者は花形ですが、綱を引く人、ゴミを拾う人、竹箒で道を掃く人、などそれぞれに分担があって御柱祭は成り立っていると思います。氏子の心がひとつにならないと曳行出来ないと思います。

 

―最後に今回の御柱祭についてメッセージをお聞かせください。

河西 上社も下社も、過去の記録を見る限り、今回は、柱の胴回りがいちばん太いんです。これまでにない迫力です。見るだけでも自慢できると思います。

濵  私たちは、氏子の皆さんのお力をお借りして安全に御柱祭が終わることを願っています。そのうえで、観光客の皆さんにもご協力いただいて感動の祭りとなれば幸いです。

 

―本日は、ありがとうございました。

(平成27年6月)